QST次世代放射光施設整備開発センター設置

 東北大学青葉山新キャンパス(宮城県仙台市)内の次世代放射光施設(愛称:NanoTerasu、ナノテラス)線型加速器トンネル終端部に、令和4年10月31日に弊社製のビームダンプが設置されました。ビームダンプは、線型加速器で30億電子ボルト(1電子ボルトとは、電子1個を1ボルトで加速した時に得られるエネルギーの大きさを表す単位)まで加速した電子ビームのエネルギーを吸収します。その際に発生する放射線をダンプ内に遮蔽するため、中心部(ビームダンプコア)には黒鉛を使用し、外周遮蔽体には重量20トン以上の鉄を用いています。

 NanoTerasuは、線型加速器と蓄積リングで構成されています。線型加速器で加速された電子ビームは、蓄積リングへ入射される前にリングへのビーム入射条件に合うように調整されながら、ビームダンプに廃棄されます。

 NanoTerasuは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)により、平成31年3月から整備が開始されました。令和3年12月に基本建屋の一部が完成するとともに、NanoTerasuの中枢部である加速器の整備が開始されました。令和5年度からの施設運用開始を目指しています。

加速器の設置状況はこちら(QSTホームページへ移動)

設置作業の様子はこちら(動画)

(設置中 令和4年10月27日)
(竣工 令和4年10月31日)